10月にもなると日没の早さや秋の雲、爽やかな空気感、そしてコンビニの秋スイーツなどなど、秋を感じることが多くなります。そして、どこからともなく漂ってくるあの香り。「金木犀」の時期でもあります。
今回は、親子で秋を楽しむのにぴったりな「金木犀」についてご紹介します。
金木犀は「三香木」の一つ 花言葉は「謙虚」
毎年9月下旬から10月にかけて街を歩いていると、ふわっと甘い香りが漂ってきます。毎年必ず、香りによって金木犀の存在に気づき、「どこかな」と周りを見渡して探すという順番です。そして写真を撮り、「あ〜今年も秋がきたな」と実感します。
金木犀は、春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子(クチナシ)と並び、「三香木」のひとつです。
花言葉は「謙虚」など。強い香りを漂わせますが、咲かせる花は小ぶりでつつましいことなどに由来しているそうです。
名前はオレンジ色の花を「金」に見立て、「犀」はキンモクセイの樹皮が動物の犀(サイ)の皮膚に似ていることから付けられたといいます。江戸時代頃に中国から日本にきて、日本の秋の風物詩になりました。
ちなみに、「銀木犀」という花もあります。白っぽい花で、香りは金木犀より控えめだそうです。見つけたらラッキーですね。
金木犀が香る天気は?
湿度が高い曇りの日には、より金木犀の香りを楽しめると思います。湿度が高く、空気中に水蒸気が多いと、香りの分子が空気中に留まりやすくなるんです。
一方で、カラッと乾燥した日だと香りが留まりにくく香りを弱く感じてしまいます。
実際に私が毎年最初に金木犀に気づく日は曇り空です。
花が咲く期間は短く、1週間程度で散ってしまうので、青空を背景に写真を撮ろうと思っていると時期を逃してしまうこともしばしば。
「金木犀初日」を記録し、気温との関係を調べてみよう
金木犀の開花には気温が深く関係しています。気温が高いと開花時期が遅れます。
気象予報士の多くは、毎年自分が初めて金木犀の香りに気づいた初日を記録している人が多いです。残暑が長引いた年は金木犀の開花が遅れることが多いです。子供と一緒に金木犀初日を記録し、気温の関係を考えるのを毎年恒例にしてはいかがでしょうか。
見つけた場所、日付、香りの強さ、その日の天気や湿度、風などを記入し、記録が溜まった数年後、自由研究など何かに役立つ日が来るかもしれません。
香りと記憶の不思議な関係「プルースト効果」
大人になって金木犀の香りを嗅ぐと、子どもの頃の秋の記憶がよみがえりませんか?
特定のにおいが、それに結びつく記憶や感情を呼び起こす現象のことを「プルースト効果」というそうです。
今、お子さんと一緒に金木犀を楽しむことは、将来「秋になるとママと散歩したことを思い出すな」という温かい記憶の種まきにもなっています。何十年先も続く、素敵なプレゼントですね。
金木犀の香りはダイエット効果も
金木犀の香りを嗅ぐと、脳内の摂食中枢が反応し、食欲増進物質が抑えられるそうです。さらに満腹中枢への働きが促進され食欲が抑えられるとのことです。
秋になると金木犀の香りのハンドクリームや香水などが特設コーナーに並ぶことも多いですよね。ハンドクリームを使ってみたり、マスクに金木犀の香りをつけてみたりしようと思います。
短い花期だからこそ、毎年の出会いが特別に感じられる金木犀。子供と一緒に「今日はどこで金木犀に会えるかな?」と会話をしながら、秋の散歩を楽しみたいです。

